改造、その前に |
新車で買った人も、そうでない人も目を通しておくように。
まず、何で改造が必要なのか?よく考えて欲しい。
これはバイクに限らず、車もそうなのだが。
オジさんは別に改造を否定している訳ではない。
改造は基本的にお金がかかる訳だから、目的に合わせてお金を投下してもらいたい。明らかに違う方向にトライしても大した経験値にもならないし。
たまに何をとち狂ったのか
最近、新車を買いました。初バイクです。
友達がみんな多少なりバイクを改造していて、自分もちょっといじってみたいのですが、どのへんから始めればいいでしょうか? |
とか言うヤツがいる訳だ。
新車なら半年はノーマル乗っとけ、小僧!
新車なんかそうそう不都合ないわ!
ただ周りがやっていると言うだけで、無意味な改造をするのは馬鹿らしい。
例えば街乗りしかしないのにショックを堅いタイプに交換したり、ハイグリップタイヤにしたり。
まぁ、自分で改造する(ショップに頼まない)のであれば、それはそれで技術が向上するのでいいかもしれないが。いや、むしろ自分の手を汚すのが段々楽しくなってくるのだが。
では再びなんで改造が必要なのか?を考えてみよう。 |
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まず、改造の目的である。
左図を見ていただきたい。
ノーマル新車を中心に考えると改造は3通り考えられる。
@劣化した状態を新車レベルまで回復させる。
A劣化した状態を用途に合わせ、ノーマルより性能を向上させる。
B用途に合わせ、ノーマルより性能を向上させる。
一言で「改造」と言ってもレストアからチューンまで幅広く意味がある。その辺を理解しておいて欲しい。
ただ行き過ぎると「改造のために改造する」マニアになってしまうが。
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上記のメカニズム的な改造とは別に、見た目の改造も存在する。
これは人それぞれの好みがあるので一概には言えないが、ただ言えることは事前にある程度の「ビジョン」を固めておくことが大事である。あわせて下調べをしておくこと。同じようなパーツでも大きな価格差があったり、純正で流用が利いたりすることも少なくない。
またこれは深みにはまるとパーツ自作の道へと進んでしまうから気をつけろw
あと改造全般に言えることなのだが、周囲に与える影響を必ず考えること。
やたらと五月蝿かったり、突起物があって危なかったり(ピースミラーとか)するパーツは止めてもらいたい。
もう1つ、本来の性能を制限する、または著しく損なうパーツも存在する。
これらのパーツは理性を持って使わないようにしよう。
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基準値作り |
上では性能と言うものをノーマルを基準にして改造を考えてみた。
今度は「自分の中の基準」と言うものを考えてみたい。
「自分の中の基準」と言うものは、経験によって評価軸の中心を作ることなので、誰しも最初は基準を持たない。いろいろな経験、例えば1つの車に長く乗る、色々な車を乗り比べていく等を行って少しずつ構成されていくものである。
オジさんはよく「ものさし」と言う言い方をするが。
これには色々な評価軸があって、例えばどんな車に乗ってもブレーキのタッチはこうで、効き具合はこうあるべきだ、と言う評価と、複数の車を乗り比べた時にAとBでブレーキの違いを評価する場合とがある。
できるだけ完成度の高い良いものに乗り、正しい評価軸を作り上げて欲しい。
ベースは個人のセンサーの差もあるので、常々センサーを磨いておく必要がある。
この基準値が出来上がらないことには改造する意味がなくなってしまうので気をつけよう。
若いうちは1台の車を徹底的に追い込んで、自分の基準値を作るのがベターだと思う。
この場合、当然のことながらノーマル新車状態が望ましい。
また個々のパーツや車両の出来具合と言うのは、限界付近まで追い込んで行かないと判らない場合も多いので、乗り手の技量の向上も不可欠である。
あとは原付だけでなく色々な乗り物にも乗ってみよう。例えば自転車1つとってもそれはそれで面白いし、バイクでもマニュアルとスクーター、各クラスの排気量、年齢が許すなら車も乗ってみよう。
色々乗るとまた新しい基準が作られるから。
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工具を揃える |
ここに来るような人は既にある程度の工具を持っていると思うのだが、一応工具に付いて書いておくことにする。
まず最低限必要なのは
1)ドライバー(プラス、マイナス)
2)スパナ(各サイズ)
これだけあればそこそこバラせる。
ホームセンター売っているセット物(2〜3,000円)で十分賄える範囲の工具である。
少し追加しておくなら
1)メガネレンチ(各サイズ、特に10×12は複数あると便利)
2)ヘキサゴンレンチ
3)ソケットレンチ
4)頑丈で大き目の工具箱
これらがあるとぐっと作業効率は上がる。
ここまではホームセンターの安物で揃えられるし、トータルで5,000円もいかないだろうと思う。
あると便利な工具(?)
1)ノギス
2)空気圧計
3)CRC556
ノギスはともかくとして、エアゲージは1つ持っておくといい。
さてスクーターをいじる場合は更に専用工具が必要になってくる。
機械いぢりが好きな人は知恵と工夫でどうにかしてしまったりするのだが、専用工具は専用工具と言われるだけの便利さがある。
基本的にミッションケースを開けてウェイトローラーやベルトを交換したりしなければ必要がない。
1)プーリーホルダー
2)プーリーレンチ
あとは必要に応じて買い揃えよう。
もう1段上のあると便利な工具
1)金ノコ
2)金切りバサミ
3)金属用半丸金ヤスリ(先が細ければ尚良し)
4)電動ドリルドライバー
5)サンダー
6)インパクトレンチ
このあたりはパーツの加工や自作するレベルになったら買おう。
さて次は所謂ブランド工具と安物の工具の違いについて書いてみよう。
よく「SnapOn」とかの有名工具の名前を聞くことがあると思う。
工具を頻繁に使うようになると「いい工具」というのが、どれほど優れているかと言うのが体感できるようになる。で、それら工具の優れた点は、1)工作精度が高い、2)形状が握りやすく力がかかりやすい、3)壊れにくい、この3点だ。特にソケットレンチの差は大きい。
これらの優れた点はどこに影響するか?ズバリ作業効率に直撃する。
多分、初心者が「いい工具」を使ったら、作業時間が2割は短くなるのではないかと。
勿論、正しい工具の使い方をしたとしてだが。
ただこれらの工具は非常に高いものが多い。
その中では比較的安いのがKTCの工具。とりあえず使用頻度の高い、メガネの10×12は単品でこのあたりを買っておくとよい。
これも進んでいくと工具マニアになって、SnapOnを工具BOXで買ってしまったりするから気をつけろw
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